終身雇用制度の崩壊が語られる昨今、新卒で入社した一社に定年まで勤め続けることは一般的ではなくなってきています。新卒入社して数年で、そろそろ次のキャリアを考え出す方も少なくないのではないでしょうか。
転職市場においては、「第二新卒」という言葉がすっかり浸透し、求人企業に広く受け入れられるようになっています。
今回の記事では、そもそも「第二新卒」とは何かを解説したのちに、第二新卒で転職する人の割合、転職する際に重視される項目を解説します。
第二新卒とは
厚生労働省では、「第二新卒者」の定義を以下のように定めています。
「第二新卒者」とは、それぞれの企業の中で第二新卒の定義がある場合にはその定義によるものとし、特に定義がない場合は、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内の者とした(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない)。
引用元:厚生労働省|第57回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会(資料1:若年者雇用を取り巻く現状)
「第二新卒」の定義は企業やサイトによって異なりますが、一般には「学校卒業後、おおむね3年以内」の方を指します。年齢でいうと、大卒の方であれば23~25歳、大学院卒の方であれば25~28歳程度が目安となります。
また、学校卒業後に社会人経験を持つ方のみを「第二新卒」と定義することがほとんどです。
新卒・既卒との違い
新卒とは一般に、「入社する年に学校を卒業する人または卒業見込みの人」を指します。
また、既卒とは一般に、「学校を卒業後、職務経験を持たない人」を指します。
第二新卒と新卒・既卒との大きな違いは、「社会人経験の有無」です。学校卒業後、就職をして勤務をしている方であれば、卒業後おおむね3年以内は「第二新卒」と位置付けられるのが通常です。
第二新卒で転職する割合
厚生労働省の調査によると、平成28年度卒業者のうち、新規大卒就職者の就職後3年以内離職率は32.0%であることが分かっています。
つまり、大卒の方の約3人に1人が、新卒入社後3年以内に退職をしている計算になります。
さらに事業所規模にみると、5人未満の事業所では実に57.7%が、1000人以上の事業所であっても25.0%が新卒入社後3年以内に退職をしています。
つまり1000人以上の従業員を抱える大企業であっても、4人に1人は3年以内に退職をしている計算となります。
第二新卒が採用選考の際に重視される項目
厚生労働省の調査によると、「新規学卒者枠」および「第二新卒者枠」に対する採用選考で重視項目の順位は、以下のようになっています。
新規学卒者枠 | 第二新卒者枠 | |
1位 | 熱意・意欲:73.7% | 熱意・意欲:60.5% |
2位 | コミュニケーション力:56.6% | コミュニケーション力:47.7% |
3位 | 協調性:41.5% | 協調性:32.8% |
4位 | 行動力・実行力:35.9% | 行動力・実行力:30.5% |
5位 | 一般常識・教養:34.0% | 一般常識・教養:25.6% |
6位 | 理解力・判断力:25.8% | 理解力・判断力:20.7% |
7位 | 忍耐力:12.3% | 忍耐力:12.8% |
8位 | 学歴:7.4% | 実務経験:9.6% |
9位 | 創造力・企画力:6.5% | 学歴:5.8% |
10位 | 資格:5.3% | 資格:7.2% |
11位 | キャリアアップ志向:3.6% | 創造力・企画力:5.6% |
12位 | その他:1.2% | キャリアアップ志向:5.4% |
13位 | 実務経験:0.8% | その他:0.7% |
1位から順位を比較すると、「新規学卒者枠」と「第二新卒者枠」では、採用選考で重視される項目は大きく変わりないことが分かります。
「実務経験」に関しては、第二新卒者は新規学卒者よりは重視される傾向があるものの、13項目中8位と、特別上位にランクインしているわけではありません。
なお、「中途採用者枠」においては、実務経験は63.5%と他を大きく引き離して1位となっています。中途採用においては実務経験は最重要項目であることが分かります。
以上の調査結果より、第二新卒は中途ほどは実務経験を重視されておらず、新卒と同じく「ポテンシャル」を求めて採用している企業が多いと言えるでしょう。
まとめ
ここまでで、第二新卒の定義と、第二新卒の約3人に1人は転職を経験していること、第二新卒では中途ほど実務経験は求められておらず、ポテンシャル採用を行っている企業が多いことをお伝えしました。
第二新卒の転職において、実務経験が乏しいこと自体が必ずしもマイナスになることはありません。それ以上に熱意や意欲、ご自身のポテンシャルそのものが重視されています。
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