全ビジネスパーソンにとって、ロジカルシンキング(論理的思考)は必須のスキルと言えます。
そしてロジカルシンキングを習得するにあたっては、「MECE(ミーシー)」と呼ばれる概念を理解する必要があります。

本記事では

ロジカルシンキングについて調べている方
ロジカルシンキングを身に付けたい方
ロジカルシンキングを実際に仕事に活かしたい方


に向け、ロジカルシンキングの前提となるMECEの考え方を解説します。

MECE(ミーシー)とは?

MECE(ミーシー)とは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略です。

日本語に訳すと、「お互いに重複せず、全体に漏れがない」という意味で、「モレなく、ダブりなく」と表されます。

例えば、人間を分類する際、次のような分け方は「モレなく、ダブりなく」のMECEであると言えます。

・性別:男性、女性
・血液型別:A型、B型、O型、AB型
・年代別:20歳未満、20〜39歳、40〜59歳、60歳以上

 

また、小学校の算数や中高での数学でも、MECEの考え方は既に利用されています。
例えば、以下の例題は、誰しも一度は解いた記憶があるのではないでしょうか?

3枚の硬貨を同時に投げるとき、少なくとも1枚は表が出る確率を求めなさい。

これを全パターンを書き出すと以下のようになります。

余事象の例

このように、漏れや被りがなく、網羅的に全パターンを分けていくことを「MECEに分解する」と言います。

補足:MECEを利用した解法

ちなみに先程の問題の答えは、書き出した全8通りのうち、少なくとも1枚は表が出るのは7通りですので、解は7/8となります。

また、これはMECEの概念を利用すると、もっと効率的に解くことができます。

それは、全事象から「3枚とも表(=余事象)」を除いて計算する方法です
実際に計算すると、1 – (1/2)³=7/8 となり、確かに解は一致します。

求めたい事象(A)とその余事象(Ā)にモレやダブりが生じていない、つまりMECEになっているために、

P(A)(Aが起こる確率) = 1- P(Ā)(余事象Āが起こる確率=Aが起こらない確率)


という計算式が成立します。
全事象=事象+余事象

 

MECE(ミーシー)でないパターン

次に、「MECEではない」パターンを考えます。

つまり「モレなくダブりなく」になっていない状態であり、これには3つのパターンが存在します。
MECEであるパターンも含め、全4パターンを一つずつ見ていきます。

MECEでないパターン

①ダブりもモレもない(MECE)

MECE

全体を網羅しており無駄がない状態です。

冒頭で挙げた「男性」「女性」などが代表例です。

 

②ダブりはないがモレがある

無駄は発生していないものの、全体を正しく網羅できていません。

例えば、10−40代の顧客を分類する際に、「学生」「会社員」のみで分解すると、「専業主婦/夫」などがモレることになります。

 

③モレはないがダブりがある

全体は網羅はできているものの、ダブリによる無駄が生じています。

例えば、同じく10−40代の顧客を分類する際、「学生」「会社員」「主婦/夫」で分類すると、「学生かつ主婦/夫(これは少数ですが)」や「会社員かつ主婦/夫(兼業主婦/夫)」のダブりが生じる可能性があります。

 

④モレもダブりもある

全体が網羅できておらず、かつ無駄も発生しています。

例えば、10−40代の顧客を「会社員」と「主婦/夫」のみで分類する場合は、「会社員かつ主婦/夫(兼業主婦/夫)」のダブりが生じるのに加え、「学生」の存在などがモレていることになります。

 

なぜMECE(ミーシー)が大切か

ビジネスにおいてMECEが重要とされる理由は大きく以下の2点です。


・見落としを起こさないため(→モレをなくす)

・無駄を生じさせないため(→ダブりをなくす)

 

MECEでないということは、正しく全体像を俯瞰できていないということです。

重要な視点や項目の抜け落ちや、効率性の低下が生じ、結果としてビジネスの判断を誤る可能性が生じます。

言い換えると、MECEであれば、検討すべき事象の全体像をモレなくダブりなく抽出できていることになります。MECEに分解された各項目を検討することで、適切にビジネスの判断を行うことができます。

経営者やコンサルタントはもちろん、全ビジネスパーソンがMECEを意識して自身の仕事に取り組む必要があります。

 

MECE(ミーシー)に分解する方法

ここからは、具体的にMECEに分解する4つの方法を紹介します。

MECEに分解する方法

①因数に分解する

①因数

全体をそれぞれの要素に因数分解し、計算式で表現する方法です。

例えば、「売上」は「販売量」×「単価」の掛け算に因数分解できます。
ここからさらに細かく、「販売量」「単価」を因数分解していくこともできます。

正しく因数分解の計算式を作ることができれば

全体(左辺)=各要素の掛け算(右辺)


となるため要素間のモレは生じ得ません。また、同じ項目を2回掛けない限りはダブりも生じません。

なお、今回の例では掛け算を用いて分解を行いましたが、足し算・引き算・割り算(四則演算)で分解していくこともあります。

 

②階層別に分解する

全体を縦や横の階層で区切っていく方法です。

例えば、冒頭の例でも出したように、人々を年齢や性別で分ける場合などが当てはまります。
また、既に例に出した余事象のような「OOとOO以外」という分け方も、この層別分解に含まれます。

全体を境界によって分割するため、モレやダブりは発生しません。

 

③プロセス(時系列)

③プロセス(時系列)
全体を何らかの作業工程や、バリューチェーンなどの時系列で分解していく方法です。

全体を正しい工程・時系列に落とせていればモレが生じず、同時に2つの工程を通ることがなければダブりも生じません。

 

④フレームワーク

④フレームワーク

全体をフレームワークを用いて分解する方法です。

ビジネスには以下のような様々なフレームワークが存在します。
場面に応じて適切なフレームワークを活用することで、検討すべきことを効率よくMECEに分解することができます。

 

MECE(ミーシー)の注意点

ここまで、MECEの概念をご説明しました。

最後に、MECEを利用する上で大切なのは、MECEに分解する目的を忘れないことです。

ビジネスの場面では、綺麗にMECEに分解できないことも往々にしてあります。また、MECEに分解する際も、紹介した通り様々な方法があります。

「どこまでMECEに分解するのか」
「どうやってMECEに分解するのか」


は、ビジネスの目的に応じて都度判断するようにしましょう。

例えば、先ほど「MECEでないパターン」として、「専業主婦/主夫の存在がモレている」という例をあげました。
しかし「専業主婦/主夫」という分類が、そのビジネスにおいてあまり重要でなければ、無視するまたは「その他」とおいてしまうことで十分です。

MECEにこだわりすぎるあまり、MECEに分解する目的を忘れないように心がけましょう。

なお、実際にMECEに分解した各項目をどのようにビジネスに使用するかについては、今後別の記事で詳しくご紹介します。

 

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